Sweet Mulberry Farm Diary
スウィート・マルベリー・ファームでおこる出来事
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それぞれの道




僕より一足先に農場を去ったウェインさん。


最後にボクに残したあの言葉は・・

いつもの意地悪だったのだろうか?
それとも・・


フッと笑ったウェインさんは、なんだか、僕がずっと隠してきた気持ちをまるで全部見透かしてるみたいだった。



・・僕もいよいよあと数日で、

ここ スウィートマルベリーを去る

・・
・・

・・うん、伝えなくっちゃ。




部屋にのこる荷物をかばんに詰めながら考える。

いつ伝えよう?

なんて伝えよう?

冗談だと思われないかなァ

そうだ、どこで・・

「リック?」



・・!!!!うわぁ!!


ギュウギュウと荷物を詰め込んでいた僕の前に現れた
2本のながい三つ編み。

セルマさん!



「荷物のしたくはどう?大変だったら、いつでも声をかけてね。
 農場での最後の作業もあるし、大変でしょう?アダムさんが”最後の仕上げじゃ!”ってハリキってたわ!」



不意の時機に心臓が飛び出しそうになった。

今は無理だ、なにか適当に話をしなくっちゃ、

と思った僕の頭にウェインさんの言葉が蘇る。



・・今日は二度とこないんだ。





いつまでも大事なことを言えないような僕じゃ・・ダメなんだ・・ッ!





「セルマさん!


 セルマさんの夢って、なんですか?

 ボクは・・僕の夢は、ここでの経験を大切に活かして・・・・実家の農園を立派に継いでいきたいんです!
 それには、僕の力だけじゃ無理かもしれないけど・・

 ここにいる間、みんなが僕を支えてくれたみたいに・・

 大切な人が近くで支えてくれたら・・・・

 だから、セルマさん・・!僕と・・ッ




一歩前に出ようとした足が荷物にぶつかった。

「リック」

続きを口にしようとした僕より先に、セルマさんの口が開いた




「リックも・・いつの間にか、立派な一人前の農夫さんなのね。いつもちょっと頼りなくて、つい目が離せなくて、今日も心配で・・だから今日もここに来たの。

 だけど、もう安心みたいね。


 リック、わたしの夢もあなたと同じよ。

 このマルベリー・ファームを守っていくこと。
 旦那様と奥様の不在が多い中で、お屋敷の仕事や、お嬢様たちのお世話をシッカリとしていくこと・・。リックみたいに、一生懸命働くみんなを、支えていきたい。
 
 わたしはファームを一生離れないつもりよ。
 だからリック・・お互いの場所で、これからもずっと頑張りましょうね!」



僕と、同じ・・

・・

・・


アハハ!セルマさん、ありがとうございます・・!




ギュッと握手したセルマさんの両手は、温かくて 意外と力強かった。







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豊作?



今日も雪かき。

ウェインさんに睨まれて、キース君はしぶしぶ
スノーマンの行列を片付けていったんだけど・・・


・・あれ?

なんだか、畑に白い野菜が・・・


白いジャガイモに
白いカボチャ
白いサツマイモ(?)に
白くて巨大な・・・

巨大なカエル!!!!!


〜〜あぁ、ビックリしたッ!

・・よく見ると、全部雪でできてるじゃないか。


もう、やめてよキース君!!!
・・っていうか、手先、器用なんだなぁ・・・
サツマイモは一瞬、大きいアオムシに見えたけど・・・


まぁ、チョット不気味なスノーマンの大群よりはカワイイ・・かな・・・?



しばらくは収穫の作業もなさそうだから

ウェインさんに小言を言われるまでは

こんな白い野菜で豊作の畑もいいかも

なんて思った月曜日の午後。
 
 
 
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前を向いて



・・ふぅ。


年の瀬を迎えて

メイドさん達は館の大掃除、

僕たち農夫は今年最後の農作業に追われている。


今日はキヌサヤの支柱作りをした。

今のところはまだ20センチくらいで
ツルはほとんど見られないけれど、

きっと2月になると
みるみるうちに伸びるていくんだろうなぁ・・・。


・・それに比べて、僕は・・


来年、僕はここ マルベリーファームでの
修行期間を終えて、いよいよ
実家の農家を本格的に継ぐ準備に入る。

だけど・・

なんだか、複雑な、不安な気分・・

マルベリーを離れるってことも信じられないし
僕がうちを背負っていくっていうことも
まだ 全然 考えられないよ・・・


そんな僕を気遣ってか

セルマさんがクリスマスに星型のクッキーと、
クリスマスカードをくれたんだ。

クッキーは、半分ほど
キース君とステファニーお嬢様に
食べられちゃったけど・・

半分のクッキーと、カードだけはなんとか死守っ!!


クリスマスカードには・・

『頑張り屋さんのあなたへ』

のメッセージ。


・・・・

・・そうだ・・・っ!



残り少ない時間だからこそ、

クヨクヨなんか、していられないんだ!!
 
 
 
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雨天、延期



ひさしぶりの大雨!

こうも雨がヒドイと、外での作業は全部いったんストップに・・



あああ、雨でスケジュールがズレると
ウェインさんがまたカリカリしだすからイヤなんだ。


雨のあとって

緑のアレが大量発生するし・・ね。


ステファニーお嬢様はそんな
「緑色のケネス」を連れて畑を駆け回るから

畑はぐちゃぐちゃになるし!!



・・・このマルベリーファームで
雨が降って機嫌がよくなる人なんて、

仕事が休みになったのを喜ぶキース君ぐらいじゃないかなぁ・・・??


まぁ、

その間にたまった仕事は

全部ボクに回ってくるわけだけどね・・・・。

はぁ・・・・・。


こんなに雨が強いと

収穫を迎えるせっかくのリンゴも
枝から落ちてキズモノになっちゃうよ・・


せっかく育ったリンゴにキズが入るのって

ボクだけじゃなくて、

ケネスさんも、アダムさんも

実は結構なショックを受けるんだよね・・・




早く止まないかなぁ・・・・・。


はぁ〜〜。
 
 
 
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パンプキン



ぐ・・・お、重い〜っっ!!

はぁ〜・・・キース君てば酷いよぅ。


セルマさんに頼まれたカボチャを、全部ボクに渡すんだから。

『こんくらい一気に運んで、セルマに良いところ見せろよッ!』なんて、調子のいい台詞に乗っちゃったボクもボクだけどさ・・・。


あ〜ぁ・・・誰か手伝ってくれないかな。
こんなの一人で運べないよ。


あ。
あそこにいるのはマーティンさん!

ちょうど良かった!!手伝ってもらおう。


おーい、マーティンさ〜ん!!・・・・て、あれ?



笑いながら草原を駆けてるけど・・・

話しかけてるのは・・・

仔山羊??


しかも、『ジェニファー』って・・・





・・・・ははは。




なんだか幸せそうだから、そっとしておこう。


ボク、何も見なかったから。大丈夫。






さ、カボチャ運ばなきゃ・・・うん。



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ビールの魔法



『おお!リック!!いいとこに!!』


突然の大声にびっくりして振り向くと、
そこには日に焼けた顔を、さらに酒で真っ赤にしたアダムさんが・・・


うわ・・・マズいなぁ・・・



頼まれたビールを運んで、そそくさと退散しようとしたら、
案の定つかまちゃったよ。


『さあ、お前も飲め!!飲みながら、聞いてもらいたいんじゃよ。』

「あ、あのぅ・・・話を聞くのはいいんですが、
ぼ、僕・・・ビールはちょっと・・苦いし・・・えと・・・」

『まあ、そう遠慮するんじゃない!!わははは!』


遠慮ではなく・・・と言いかけた言葉は、
ドンと豪快に置かれたジョッキの音にかき消された。



・・・断るっていう選択肢はないみたいだ。はぁ。



仕方ないから、お茶を濁すように泡を一口なめてみる。


うわ・・・やっぱり苦いよう・・


『なんだリック。男ならもっと威勢よく飲まないか!』

「・・・・ッ!?」

なんと、大きく笑ったアダムさんが僕の肩を強く叩いた拍子に、
琥珀の液体が咽に一気に流れ込んできたんだ。


ケホケホ・・もう、ほんと酷いなぁ・・・って、あれ?


なんだか世界が回ってる??

それに、ちょっとイイ気分。



今なら少しだけ強気になれそうな・・・・



そう・・・僕だって言う時は言うんだぞ!!

たとえ相手がキース君だろうと、せ、セルマさんであろうと!


そうですよね、アダムさんッ!!


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A Rainy Day



はぁ・・・こう雨が続くと気分も滅入るなぁ。

ああ、また少し降ってきちゃった。



雨の日の畑仕事は、ぬかるんだ泥に足をとられて大変なんだ。

泥にはまったら最後、抜け出すのは一苦労だよ。

この間も、うっかり深いところにはまって立ち往生していたら、
運悪くキース君に見つかって・・・・


僕の天敵の『緑のアレ』を頭に乗せられたんだ!!


もう、生きた心地がしなかったよッ!!


『緑のアレ』の名前はケネス。



ステファニーお嬢様の大のお気に入りのペット(?)だけど、
僕にとってはオバケの次に苦手な生き物なんだ。


あまりの恐怖に気が遠くなりかけたその時、
牧草の山の向こうから聞き覚えのある声が・・・



「あ〜!!ケネス、こんなとこにいたのね!ダメじゃない!」


『うわぁぁあ!!ステファニーお嬢さまっ・・・そこは泥がすべ・・!!』


「きゃあぁぁ〜!!!」


ばっしゃーーーん!!!




頭から靴下まで茶色の泥まみれ。

巨大なジンジャーブレッドみたいな僕たちが、
セルマさんにこっぴどく怒られたのは言うまでもなく・・・


はぁぁ〜・・・・
僕って、ついてないなぁ。





おっと、落ち込んでいる場合じゃないや。



もうすぐ旦那様と奥様がファームに戻っていらっしゃるんだ。


アダムさんから頼まれていた仕事を終わらせて、、
ステファニーお嬢様の泥色ドレスも、サンディさんに洗濯して貰わなくちゃいけないなぁ。
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5月19日 天気 晴れ



僕がこの「スウィート・マルベリー・ファーム」へやってきてから
早二か月が経とうとしています。


長男の僕は、いずれ、両親が経営するファームを継ぐことに
なるわけで・・

ここへは、そのための勉強というか・・修行というか・・

半ば無理矢理に両親に送りこまれたわけです。


実家がファームだとは言っても、
農業なんて一度も経験したことのない僕にとって、
ここでの生活は驚きと失敗の連続で・・

正直、やっていけるのかな・・って心配です。


唯一、救いは・・・

あの人の作る美味しい手料理と
優しい笑顔に会えること。


明日こそ、僕から挨拶するぞ!
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