Sweet Mulberry Farm Diary
スウィート・マルベリー・ファームでおこる出来事
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三女の誓い



また二人とも行ってしまった。

お父様とお母様が旅立つ前は決まってみんなで大騒ぎ。
明るく元気に振る舞うけれど、それは淋しさを隠す為。
だって、もうここにはアンジェラもジェニファーもステファニーもいないんだもの。




二人を乗せた馬車の扉が閉まる時、いつも同じ事を思う。
「ケネスはいいなー。だって男の子だもん。」と言った時のこと。

私だって、女の子らしく素敵な恋をして、結婚をして、愛する人の子どもを産んで、
子育てに奮闘しながら、幸せな家庭を築いていく。
今はそれも悪くないと思っているわ。

でもね、私は、私自身でファームを守りたいの。
私を育ててくれたこの場所と、一緒に働いてくれる人たちを。


でも…。
私、なんで男の子に生まれなかったんだろう…。



あぁーーー、もぅっ!!

どうにもできない事をウジウジ悩んでてもしょうがない。
今の私にできるのは、馬の買い付けを成功させる事!
そうよ、それしかないの!

Step by Step!
右足を出して、次に左足を出す。
ただそれだけ。
転んだって、泣いたって、
やめなければ、必ずゴールに辿り着くはずよ。


そうとなれば、ケネスを捕まえて、
馬を見極める極意をアダムさんから教えてもらわなくちゃ!
競りの特訓よっ!


見ていてね、お父様、お母様。
私、必ずやり遂げるから。
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sunny days



お天気の良い日が続いてて、とっても気持ちよくて…

本当なら、わくわくするんでしょうけど
今日はそうもいかないみたいです。

旦那様と奥様がこの家を経ちました。
次にお会いできるのはいつになるでしょうか…

それからは、ウェンディお嬢様の元気がなくて
何だか、私たちも元気が出ないんです。

お屋敷が広く感じますね…
今日はウェンディお嬢様の好きなお菓子を焼きましょうか!
ウェンディお嬢様には笑顔が一番ですもの!

「ちょっと、ケネス! しっかりしてちょうだい!」

あら… この声は…

「今度の馬の買い付けは、私たちにかかってるんだから!」

あらあら! そうでした!
今度の大きな競りは、ウェンディお嬢様に任されることになったんです!

昔は着いて行くだけだったのに…
お嬢様ったら、いつの間にかすっかり成長されて…

ふふ、それに、はりきって、元気が出てきたようですね!
何だか私も嬉しくなってきました!
お嬢様の背中も何だか頼もしく見えてきました。

えぇ、そうですね。

私たちは、お嬢様が安心して馬の買い付けに行けるように、
しっかりお家を守らないと…!

頑張ってきてくださいね!
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カントリー・ロード



ハァ・・・ハァッ・・・!



「あ、アダムさーーーん!」


・・・や、やっと、やっとつかまえた・・・・。



「何じゃケネス、そんなに息を切らして。

・・ふむ・・・

その顔は・・・

ハッハ、みなまで言わずとも、言いたいことはおおよそ分かるぞ」



「は、はぁ・・・あの、オラ・・やっぱり・・・」



「・・・ケネスよ。

お前さんこそ、自分自身を正しくはかっておらぬ。

謙虚なのは良いことじゃが、萎縮してしまっては、元も子もないぞ。

これまでのお前の仕事ぶり、そしてその人柄を見ても、

お前はこのファームの未来に欠かせない、大切な存在じゃ。

旦那様も、ウェンディお嬢様も・・・

みんな、お前さんをこれからも頼りにしたいと思っとる。

もちろん、このワシもな。

・・・お前さんなら、きっと出来ると信じておるぞ。

ウェンディお嬢様を助けることが、必ず出来る。

うむ、しっかり頼んだぞ。」



「アダムさん・・・・」



「いい馬を見て、いい物を食べて、めいっぱい楽しんで来るといい。

そして、帰ってきたら、ワシと一杯やりながら、

たくさんの土産話を聞かせておくれ。

ワッハッハッハッハッハ!」






・・・オラは・・自分のことしか考えてなかった・・・。

失敗したらどうしようとか

恥をかかないようにとか

ちっぽけな事しか見えてなくて


このファームの未来まで全く考えてなかった・・・




ウェンディお嬢さんはもうしっかりと将来を見据えている。

覚悟を決めて向き合っている。


オラは今オラが出来きることを精一杯やる。

よ、よしっ・・・!


「ウェンディお嬢様ーーーーーーーーっ!」
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おひさま



トコトコ…
廊下を歩く私の足音が響く。

沢山のシーツを抱えて、
いつもの様に元気にテキパキとお掃除にベッドメイキング♪

さぁ、今日もピカピカにしちゃいましょう!


次は旦那様と奥様のお部屋です!

はりきってドアを開けると、お二人の好きだった香りが微かに残っていて…
昨日のお見送りを思い出してしまって…

少し寂しい気持ちになりました。
つい昨日までは、優しいお二人の声が聞こえていたのに…


そこに居るだけで、皆が嬉しくなる。
笑い声が聞こえると、幸せな気持ちになるの。
私達にとって、まるでサンサンと照らすお日様の様な存在。

本当に、この半年が賑やかで
楽しかったから…。


…そう。
寂しいのは、毎日が楽しかったから。



だから、ね♪

今度お二人が帰って来る日を楽しみに、毎日お部屋を綺麗にしておかなくちゃ♪
いつでも帰って来る事ができる様に。


うんっ。
何だか、ますますやる気が出てきましたっ。


半年後が楽しみです*
がんばろーっと♪
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夢を叶えるための義務



よく晴れた。
真夏を想像させる日差しが眩しい朝
アルフレッド旦那様とマーガレット奥様が出発される。
昨夜はウェンディお嬢様をはじめ、使用人一同で
旦那様や奥様との夕食を楽しませてもらった。

みな旦那様がファームの仕事のために
都会へ戻っていると思っている。
確かにそういう見方もできるかもしれない
しかし、真実は・・・

「アダム、農場のことを頼む」

はい、伯爵
畏まりました。

心ではそう思うも
その口から出た言葉は

「まかしておくんなせぇ! 農場は、しっかり守りますだ!」

この農場特有の言葉遣いも慣れたものだ。
私・・・ワシはこちらのほうが合っていたのかしれん。

2頭立ての馬車が畑の中を進んでいく
畑仕事をしていたケネスと、キースが
馬車に向かって手を振っていた。

旦那様と奥様の夢
その夢の場所を守るため
果たさなければならない義務を果たしにいく。

しかし、いつの日か、旦那様のご家族
ぼっちゃんやお嬢様、みんな揃って
出来立ての野菜や果物をくち一杯にほお張って
笑える日がくる。

そんな日を夢見て
ワシも仕事に精を出していきたい。

ぐす・・・
ううむ、年をとると涙もろくていかんのぅ

よし! 今日から気合いれていくかの!



 旦那様、奥様
半年後のお帰りをお待ち申し上げておりますぞ。
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